2012年09月22日

会社のお金の使い方、付き合い方


こんにちは♪

3つのサティスファクション(満足)を提供、
スリーエス創研の渡辺が今回の担当です。


今週21日に「iPhone5」が発売されました。
盛り上がっていますね。

高速通信の新しい技術を備えているので動画もスムーズに見れると
いうことで、ますます「スマートフォン」が進化していきますね。

そして、「スマホ」の申し子と云われている「LINE」ですね。

スマホのアプリケーションで、無料通話・無料メールが簡単にできる
「特定の仲間」と交流する、若者の必須のコミュニケーションツールと
なっているものです。

2011.6月にサービス開始で、既に国内利用者は、なんと2800万人
(facebook:1032万人)と拡大中です。

このツールの<使い方>次第で、携帯電話の利用料金にも変化が!

使われている人は、それを実感しているのではないでしょうか。


さて、今日は「お金」の話、会社における「お金との付き合い方」
を取上げてみます。


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《お金は稼ぐより使う方が難しい?!》


松下幸之助氏の語録にもある、よく耳にするフレーズです。

お金の<使い方>は、個人でも会社でも、その器量を見られます。
個人であれば「生き方」、会社であれば「経営のあり方」を見ることが
できます。


決算分析・事業計画策定・新規事業企画などの機会でここ最近、
お金の使い方=「収支計画・損益計算書」づくりに携わることが多い
のですが、気になることが・・・。

それは「計数管理」です。


各種経営指標や業界の平均データと比較して、水準を把握することや
計画の基準を設定することは必要なことなのですが、これに囚われ
すぎている経営者が多いように感じています。

原価率は○○%でなければ、
人件費比率は○○%でなければならないと・・・。


同じ業種であっても、「経営のあり方」「販売やサービス提供のあり方」
などによって、お金の使い方は当然異なってきます。

例えば、同じ飲食店でも、食堂と料亭、ファーストフード店では、
食材に掛かる原価率も、調理人やスタッフなどの人件費比率も大きく
異なってますよね。


業界平均や他社の数値を参考にするのはいいのですが、経営方針や
特徴づくりにこだわって、お金の使い方もしっかりと考えて欲しいと、
思っています。

「うちは、食材にこだわってお客様に喜んでもらうから、・・。」
「うちの方針は『人によるおもてなし』、だから人件費は・・。」


もちろん、売上に対する経費の組み合わせで、「利益」を創っていく
ことができる仕組みであることが前提ですが。


《人件費比率と労働分配率》


「業務改善」で特に話の中心になるのが、経費に占める割合の大きい
「人件費」です。

業績が右肩上がりの場合は、売上高を拡大させることで、多少の利益
低下や人件費増を吸収できましたが、業績が横ばいから下落傾向となると、
人件費増加(高止まり)が経営に大きく影響するので、
ここにスポットがあたるのです。


人件費に関しては、一般に「人件費比率・労働分配率」といった、
計数で状況を把握します。

・人件費比率=人件費(賃金・法定福利費・退職金等)÷売上高

・労働分配率=人件費÷売上総利益(売上高-売上原価)


■数値をみて「人件費比率が高い」「労働分配率が高い」といって
すべてが悪いわけではありません。

他の会社より給与や退職金の水準が高いということであれば、他社
よりも良い待遇を社員に提供しているわけですし、商売のあり方として
「人」に投資を多く行っていく経営スタイルもあるわけですから。

私のお手伝い先である「旅館ホテル」の場合、人件費比率30%前後、
労働分配率40%前後が平均的な業界データとなっていますが、人件費
比率が40%超でも、しっかりと利益を創出しているところもあります。 


■数値をみる場合、「人件費比率」よりも、「労働分配率」を意識
してみます。(労働分配率は、生産性の分析や人件費の適正水準を
把握するために用いられる企業経営の指標です。)

それは、「売上高」でなく、「利益」でみるからです。

同じ人件費比率で、売上が大きくても、利益が出てこなければ経営は
悪化するからです。


■「労働分配率」をみて、適正より高くて問題になるのは・・・。

①人件費が高い。業務効率・営業効率にムダがあるのではないか?
②利益を創出する仕組みが悪いのではないか?
 
 ということになります。


「人件費の削減」「人件費比率の抑制」は、給与の昇給ストップや
賞与額の削減、リストラ、あってはならない話ですが、残業費の未払いや
社保の未付与などでできますが、経営者としては避けなければなりません。


自社・他社(業界)・業界での指標(基準)をしっかりと把握することは
重要ですが、これは数値(基準)でしかないので、大事なことは、
自社はどのように<お金を使っていくのか>をきちんと計画して、
実行していくことです。

そして、利益率を上げることであり、業務効率の改善としてムダを
排除して生産性アップを図ることです。


また、ここでしっかりとみておきたいのは・・・。

■現状の数値(水準)だけではなく、トレンド(推移)です。

「労働分配率」の計算式は、

労働分配率=人件費÷売上総利益(売上高-売上原価)です。


つまり、人件費と利益(粗利)の上昇傾向が同じペースであれば、
毎年の「労働分配率」は変わりませんが、人件費の上昇傾向が粗利益の
上昇ペースを上回っていれば、「労働分配率」は低下することになり、
結果として経営状況は悪化するということです。

「人件費」の上昇も見越した「利益」の創出が毎年求められます。


いかにして、利益(利益率)を上げていくか。

経営者の手腕が問われます。

「利益」を創出するために、何に経費をかけていくのか?
「利益」を創出するために、何に投資をしていくのか?

お金との付き合い方(使い方)がますます重要となっています。



《念頭に置いておかなければならないこと》


「人件費」は、年々上昇していくものです。
年功序列型の賃金体系では、定期昇給や昇給昇格の実施で年々上がって
いくこととなります。


また、様々な人件費上昇への対策を講じていく必要があります。


■パート・アルバイト雇用に関して

・最低賃金額

 パート・アルバイトの賃金設定のベースとなるものですが、年々
 上昇しています。地域により設定金額が異なりますが、東京を例にすると、
 H23年では時給837円です。5年前は719円、118円のアップです。
 
 仮にこの最低賃金で1日5時間・月16日勤務のパートスタッフへの
 支給額を計算すると、月額66,960円(5年前57,520円)で、
 月9,440円、年113,280円の上昇です。

 毎年上昇しています。

 837円←821円←791円←766円←739円←719円と。16.4%増です。
 今後も上昇していくでしょう。


・パートの社会保険付与

 2016.4月から付与対象が拡大します。対象が週20時間勤務・収入
 94万円以上・勤務見込み1年以上と、大半のスタッフが対象と
 なっていきます。スタート時点では、501名以上の企業となっていますが、
 3年以内に対象企業も拡大する方針となっていますので
 遅くとも2019年には対応が必要になってくる可能性があります。


■社会保険に関して

・厚生年金保険料

 現在(H24.9)の保険料率は16.766%、折半ですので会社負担分は
 8.383%。報酬月額20万円であれば、会社負担額は16,766円です。
 3年前(H21)が15.704%で会社負担額15,704円ですので、3年間で
 1,062円アップ(6.7%増)です。

 毎年0.354%づつアップして、H29.9月18.300%になることが決まって
 いますので、5年後には18,300円、今より更に1,534円アップ(9.1%増)
 となっていきます。

・健康保険料

 健康保険料も上昇しています。多くの事業者が加盟する全国健康
 保険協会の東京・介護保険該当場合みると、保険料率は11.52%、
 折半ですので会社負担分は5.76%。報酬月額20万円であれば、
 会社負担は、11,520円です。H21が9.37%の9,370円なので、
 3年間で2,150円アップ(22.9%増)です。

 厳しい医療保険の財政状況や高齢者医療への拠出金が増えていく
 ことから、まだまだ上昇していく可能性があります。


・雇用保険

 事業主負担は、H24.9月で一般の事業の場合、8.5/1000とH23よりは
 下がりまりしたが、H21の7/1000から見ると上昇していることになっています。
 報酬月額20万円ですと、1,700円で、3年前から見ると300円
 (21.4%増)となっています。



これらを年額にすると・・・、
社員数を掛け合せてみると・・・

相当な負担が、ここ数年でも会社の負担増になっていることが改めてわかります。 


これらの負担増の要因の増加率が、利益の上昇ペースより高くなっている
とすれば、「人件費」の負担増がのしかかってきていると、いうことです。

先の「公認会計士の椎木さん」の号にも書かれていますが、
これらの負担は、例え赤字企業でも、社員を雇用していれば生じる費用です。


これらの「人件費」上昇も念頭に入れた経営のあり方、対策の構築が
ますます重要になってきますね。 


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使い方次第でお金は、「生き金」にも「死に金」にもなります。


お金の使い方で、未来は決まる!

御社ならではの、思いを込めた収支計画の策定と計画に基づいた
取組み・実行で、将来を築いて参りましょう。


それにお金を使ったら、会社は幸せになりますか?

それにお金を使うことは、会社にとって最良の選択ですか?



渡辺元伸




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Posted by しるばーうるふ at 21:20│Comments(0)しごと
 
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