2013年05月26日

言葉化とイメージ化で商売も逆転できる


こんにちは。
コトダマーケティングの市毛です。

イソップ童話にこんな話があります。


ある親子がロバを売るために町にいきます。

すると、道行く人に

「ロバに乗らないなんて、なんてもったいない」
と言われ、父親がロバに乗ります。

ところが、今度は

「大人が乗るなんて、子どもがかわいそうだ」
と言われます。そこで子どもを乗せますが、

「なんて親不孝な」という声が聞こえてきます。

それでは、と二人でロバに乗ったところ、
「ロバがかわいそう」と言われます。

とうとう、親子はロバを担いで行くことにします。

ところが、橋の上に来たところで、ロバが暴れ出し、
川に落としてしまい、ロバは死んでしまうという話です。


人の評判を気にしすぎてしまって、物事を主体的に考えなかった
ところに、親子の失敗の原因があります。

そして、主体的に考えられなくなる原因は、当初の目的を見失って
しまっているからです。

「ロバを売りに行く」と言う当初の目的に立ち返れば、
「ロバに乗らないなんて」と言われても、

ロバを高く買ってもらうためには、乗って疲れさせない方がいいと
いうことに気づき、その言葉に振り回される事はないはずです。

ところが、それを忘れてしまっているから、ロバの運び方をどうするか
ということばかりに捕われてしまい、最後までそこから抜け出せない
のです。


昔、ある人から、人生における「戦略と戦術」の重要性を学んだ事
があります。


自分は何のために生きているのか、

何を成し遂げたいと思っているのか、

そんな人生の目的をはっきりと掲げ、

常に意識して生きることが大切だと言うのです。


これが、つまり人生の戦略。

そして、その戦略を達成するために、

何をすべきか、どう生きていくのかが人生の戦術。

この戦略と戦術を、具体的な言葉にし、常に意識し、イメージして
生きることが、人生を楽しくするコツなのだ、と。


成功とか勝つとかでなく、「楽しくする」という考え方がいいなぁ
と思いながら、この話を聞いたことを今も覚えています。

そして大切なのは、それを、具体的な言葉にして常に「イメージ」
するというポイント。


そう、言霊ですよね。


人生と言う大きなくくりでなくても、仕事でも遊びでも、何か
「行動」をしようと思うときには、この「言葉化」と「イメージ化」は、
非常に大きな力を発揮します。

言葉にすることで、スタッフや仲間に共有の達成イメージができ、
そこに向かって一丸となることができます。

イメージがハッピーなものなら、達成意欲がわき起り、行動の推進力
が増幅します。

私は、よくお客様に、プロジェクトや会議に名前をつけるよう、
アドバイスをします。

ゴールをイメージできる名前です。

首都圏からの観光客を倍増させるプロジェクトや、店舗売上を伸ばす
ためのウェブコンテンツのアイデア会議と言った具合に、その
プロジェクトや会議の目的を名前にするのです。

それだけで、戦略を全員が常に意識できるようになりますから、
無駄な行動がなくなり、効率が良くなるのです。


人生においても、これは同じ。

私も、人の言葉を気にして、自分を見失ってしまうこと、よくありました。

それは人生の戦略を持っていなかったからでした。

若い頃は、何者かになりたいという願望はあっても、その姿は
具体的ではありませんでした。

人の役に立ちたい、

お金持ちになりたい、

有名になりたい、

そんなことを漠然と思っていても、じゃあ、どうすればなれるのかは
わからないですよね。


ノウハウ本を買ったり、成功者の講演を聞いたり、意味も無く
あがいても、それが実になることはありません。

ゴールイメージが具体的でなければ、他人の成功事例やノウハウを
いくら知っても、それが自分のものになることはないからです。


ある定食屋さんの話です。

家庭的なサービスとボリュームのある定食で評判の店だったのですが、
近くに複数のレストランが入ったビルができて、お客が減ってしまいます。


店主は、業界誌を研究したり、コンサルタントに相談したりして、
あれやこれやと新メニューを繰り出して、起死回生を図りましたが、
お客は戻ってきませんでした。

これだけ頑張ってもダメなのか、とあきらめかけていたとき、ある
コンサルタントの助言で、気づきます。


自分は何のためにこの店をはじめたのか?

この店で何をしたかったのか?


今のトレンドだの、売れ筋だのという業界の評判ばかりを気にして、
それをメニューに取り入れていただけで、自分の店らしさを見失っていた、と。

彼は、修行中、自分のつくった料理を息子さんによく食べさせたそう
なのですが、その息子さんが事故に巻き込まれて若くして逝って
しまいます。

あのとき、美味しいと言って食べてくれた息子さんの笑顔が忘れられず、
その思いを込めて、たくさんの人を料理で笑顔にしたいと開いた店でした。

この料理は息子は喜ぶか、息子はおいしいと言ってくれるか、を基準に
メニューとサービスを改めて見直しました。


戦略と戦術を決めたわけです。

コンサルタントや、マスコミの評判などを気にせず、すべてを自分
で主体的に決めました。

すると、みるみるお客が増え出したのです。

分析すると、戦略を決めたことで、ターゲットが明確になり、ニーズ
とのぶれがなくなったことが勝因だろうと考えられます。


お客は新しいレストランビルに、一度は行きますが、そこの常連に
なったわけではなく、結局、定食屋に戻ろうとしたお客も多かったのです。

ところが、新メニューになっていて、そこに食べたい料理がなくなって
いたというのが真相だったようです。


戦略を見失うことが、いかに無駄な行動を引き起こすか、よっくわかる
話だと思います。


さて、ここで皆さんに問いたいと思います。


あなたは人生に目的を持っていますか?

その目的を具体的な言葉にしていますか?



市毛秀穗

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Posted by しるばーうるふ at 18:13│Comments(0)しごと
 
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