2012年02月11日
人と時間、どれだけ必要?ザ・タイムマネジメント!
本日は、福岡より、渡辺元伸がお届けします。
前回、人を活かす仕組み・元気いっぱいのコンサルタントの
佐藤なな子さんが書かれていました『「気づき」の優先順位付けと行動」』にも
関連しますが、私の主たるお客様であるホテル旅館様で取り組んでいる
お話をします。
【タイム・マネジメント】
ホテル旅館様で「マネジメントシステム構築・業務プロセス改善」
取組みのお手伝いもしておりますが、ここで一番のポイントとなるのが
【タイム・マネジメント】です。
年中無休・24時間営業でお客様へのおもてなしを行うのに必要な
体制を構築しようとすれば、計算上週休2日制(土日等一斉休暇)の
会社の3~4倍の在籍人数が必要になってきます。
到底、この陣容では経営が成り立たなくなりますので、どのようにして、
お客様の満足を得ることのできるサービスを揃え、それを行うことのできる
オペレーション体制を構築するかが重要であり、【タイム・マネジメント】が
大きな役割を果たすのです。
<<<3.11東日本大震災が起きてから>>>
3.11東日本大震災があり、日本人の心・考え方(価値観)が、
大きく変化したと言われています。
実際、弊社で実施しています「従業員(ES)アンケート」の回答をみても、
「自己」「効率」といったものから、「組織・協業」「効果・貢献」という要素を
求める回答のウエイトが大震災以降大きくなっています。
このポイントを上手に「マネジメントシステム」に組み込んでいる
会社が成功(成長)をしています。
《会社における「タイム・マネジメント」のツール》
多くの業務は「自己完結」でなく、他の人と協業であったり、他の人と
調整を要したり、前工程・後工程に他の人が関与していたりします。
従って、他の人(他組織)とのやり取りやバランスを組込んでマネジメント
することが、仕事の流れを良くする「業務改善」となっていきます。
<ポイント>
・「私」から「私たち」へ ・・・ 協業・協力の仕組み
・「見える」化 ・・・ 情報や状況などの共有の仕組み
・「標準(基準)」の設定 ・・・ 時間観念設定の仕組み
旅館ホテル様で活用している「ツール」をいくつか紹介します。
●業務シフト表
:1週間・日毎の業務予定を時間帯毎に記したモノを、会社
全体・組織単位で共有したシート。
(一般的には)
個々人の出勤有無や出退時間が、ホワイトボードやシートに
記入されていますが、これで「勤怠」管理はできますが
「業務」管理はできません。
⇒効果
・業務を予定する、様々な視点で内容を確認することで、
ダラリ(ムダ・ムラ・ムリ)を無くして効率を高めます。
・各業務に必要な「時間」「要員」を設定された基準を
ベースにして構成することで効率的な運用を行います。
・誰がどこで何をしているのかが一目でわかるので、連携
が取りやすくなります。
・組織等による「分業」ではなく、時間帯毎で必要な業務
を行うオールラウンドの体制が構築できます。
・実際の勤務内容を記すことで、「勤怠管理」や「基準づくり(見直し)」
にも活用できます。
●週間シフト会議
:「業務シフト表」に基づいて、部署間・全社で事前に応援・
・協業の体制づくりを行ったり、部署間での連携事項の確認
や調整を行ったりする1週間単位での会議。
(一般的には)
課題解決のための会議や報告会、日毎の確認(朝礼)は、
多くの会社で実施されていますが、1週間タームで全社の状況
を予定化して必要な調整を行っているところは多くはありません。
⇒効果
・部署間での状況や情報の連携を図ることで、全社体制での
取組みが容易になります。(必要な時に必要な人員を確保
することができます。)
・オールラウンド運営を実施することで、効率的な人員配置
が可能となります。
・1週間単位で事前に計画や予定を確認して調整を行うことで、
連携ミスによるバタバタを排除します。
・他の部署の業務内容をより理解することで、他部署を意識
した業務遂行(前工程・後工程)観念が醸成されます。
●業務運営マニュアル
:各業務の「標準(平準)化」を図ることを目的に、その業務
のあり方、やり方、基準を明文化します。ポイントは、その
業務のみを単体で示すのではなく、その業務の意味合いや前工程・
後工程も意識した形で写真やフローチャート入りで作成します。
《時間の使い方には、様々なタイプの人がいます》
仕事のやり方、時間の使い方にも様々なタイプの人がいます。
・できるものはサッサと行ってしまう「先行お片づけタイプ」
・業務を沢山抱え込んで前に進まない「ひとり渋滞タイプ」
・完璧を求めてより多くの時間を要す「時間掛け過ぎタイプ」
・嫌な業務、苦手な業務を先送りする「後回しギリギリタイプ」
・与えられた時間をあるだけ消費する「時間消化調整タイプ」
・切羽詰ってから行動して形づくりする「一夜漬け完成タイプ」
・時間の安全と余裕を確保して行動する「時間サバよみタイプ」
などなど。
これらの色々なタイプの人が組織(会社)を構成しています。
個々人が個々人のやり方で業務を行っていたら、効率の良い仕事の
流れ、連携・協業による相乗効果の発揮=組織(タイム)マネジメントは、
難しいものがあります。
生産性の向上には「時間」という軸が存在していること、業務は自分
ひとりではなく、他の人を含めて成り立っていること、といった
「時間観念」をスタッフ全員がきっちり持たないと、周囲の人の時間も
ムダに消費(浪費)してしまうことになります。
ゆえに、個人単位のスケジュールや目標・行動の管理だけではなく、
上記のツールなどを活用した会社・組織単位での【タイム・マネジメント】が
生産性の向上=業務改善に大きな役割を果たしています。
《タイム・マネジメントを意識した取組み事例》
より多くの成果を出すためには「残業などをして時間をその分掛ければよい」
という考え方を経営者も、働くスタッフも持っていた時代もありましたが、
・労働基準の厳守
・残業費の削減
・時短推進の風潮、
・個人の仕事以外の時間を大切にする
といった価値観の変化から、定められた時間内にいかに効果を挙げて
いくかと【タイム・マネジメント】の概念も変貌しています。
会社内での取組みも、今までとは違う取組みが必要なのではないでしょうか。
「時間観念」をしっかりと持った取組みにおいては、紹介したツールの他、
以下のような事例も参考になされてみてください。
■スピードアップを「行動理念」の中に入れて全員で共有。
・すべての仕事、行動を1.2倍速く動くことを求め、様々な
基準も設定した。
■1年間の計画を52分割(週間)してPDCAを実行。
・長く時間を要するものも、週間単位で実行する内容をブレイク
ダウンして成果までのプロセスを管理した。
■勤務時間の1%を出勤時・退社前に「段取り」に活用。
・8時間(480分)の1%は約5分であり、出勤時は仕事の
段取りや連携確認、退社時は仕事の遂行状況の確認と翌日の
段取りに各5分づつ活用する風土づくりを行った。
■時間をきっちりと定めた有効な「会議運営」の実施。
・会議は、時間厳守のスタートと終了を徹底。効率の良い運営
を行うために、事前に会議テーマを伝えて意味合いを明確に
すると共に、必要な資料は事前に配布して、討議に集中できる
ものとした。
会社経営を支える「マネジメントシステム」のあり方として、『時間』
『組織力』が、より一層重要なファクターとなってきています。
行動や取組みの一助となるように「工程表」「目標管理」「会議」
「プロジェクト」にフォーカスした内容も今後紹介していくことが
できたら、と思っています。
「今日も生涯の一日なり」、福沢諭吉の言葉にあります。
私自身も1日1日の「この時間」を大切にしていきます♪
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Posted by しるばーうるふ at 22:20│Comments(0)
│しごと