2009年12月20日
ひばりの親子と村の祭り酒
ふたつの童話をお届けします。
強い現場を作る「トヨタの上司」(中経出版)という本があります。
その中で紹介されていた童話が、非常に示唆に富んでいるのでご紹
介しましょう。
「ひばりの親子」
村人が大勢やってきて「そろそろ麦刈りをしよう」と言っているの
で、ひばりの子供が母鳥に「それなら引っ越ししようよ」と言うと、
母鳥は「まだ大丈夫よ」と子供に答えました。
数日後に今度は2~3人の村人が出てきて「麦刈りしよう」と言って
いた時も、母鳥は「まだ大丈夫よ」と言いました。
そして、ついに1人の村人が「そろそろ麦刈りをしよう」と出てき
た時になって初めて、子供に「さあ、引っ越ししましょう」と語っ
たのです。
この例え話は、
人間は「みんなでやろう」と言っているうちは、
誰も本気になっていないことを示唆しています。
1人で動き出した時こそが、
本人が本気になっている証拠であるという教訓だということですね。
また、同書には「村祭り」という名で紹介されている「村の祭り
酒」という童話もあります。
こちらは、本書とは別に、サッカーの岡田監督のインタビュー記事
の方が詳しかったので、そちらをベースにご紹介します。
「村の祭り酒」
『村の祭り酒という話を、選手によくします。
収穫を祈念して、夏祭りをする村があった。
祭りでは、お酒が入った大きなたるを、
みんなでパーンと割って始める風習があった。
ところがある年、貧乏でお酒が買えなくて、みんな集まって
「どうしよう、これじゃ祭り開けねえな」と悩んでいた。
するとある人が、
「みんなが家からちょっとずつお酒を持ってきて、
たるに入れたらどうだ?」と提案した。
「それはいいアイデアだ」ということで、
みんなが持ち寄ってたるがいっぱいになった。
「これで夏祭りを迎えられる。良かった」ということで
当日にパーンとみんなで割って「乾杯」と言って飲んだら、
水だったという話です。
みんな、「俺1人ぐらい水を入れても分かんないだろう」
と思っていたんです。』
う~ん、よくできた寓話ですよね。
中途半端な10人を育てるより、
本気の1人を育て信じて、経営をしたいものです。
Posted by しるばーうるふ at 16:10│Comments(0)