こんにちは。
コトダマーケティングの市毛です。
「ニッチマーケティング」って言葉、ご存知ですか?
マーケットのすき間を狙って新たな市場をつくり出すこと。
そう、私もそう思ってました。
でも違うんです。
本当の意味は、すき間じゃなかたんです。
ニッチという言葉の意味は、もともとは「壁龕(へきがん)」のこと。
ヨーロッパの建造物などによくある、像や装飾品を飾るために壁面に
設けた窪みのことです。
ためしに画像検索で「ニッチ」と打ち込んでみてください。
壁龕の写真がずらーっと出てきます。
これを見ると、ニッチ(壁龕)にも、いろいろな形や大きさがあることがわかります。
ひとつの壁に、ひとつではなく、たいていはいくつかのニッチが用意されています。
つまり、ニッチマーケティングとは、空いているニッチを探し、そこにふさわしい、
最もマッチするものを置くことなんです。
ニッチには、大きい物も小さい物もあります。
目立つもの、目立たないもの、変わった形の物もあります。
ニッチ市場は小さい市場というわけではないのです。
このニッチという概念は、生物学でも使われています。
マーケティング用語としてのニッチは、この考え方から発展しています。
ウィキペディアにも、
「ニッチ( Niche )とは~~~、
もともとは生物学で「生態的地位」を表す用語である。
さまざまな生態的地位がある中、主に哺乳類の進化に伴って起きた
事柄がニッチ市場の概念の元になったとされる。~~~」
と書いてあったりします。
生物学のニッチについて説明すると、地球上には、さまざまな環境の
場所があるわけですが、そのどこにどんな地位で生息するか、ということなんですね。
草原やジャングルという生態系の中には植物、草食動物、肉食動物
などという地位があります。
この生態系が循環するためには、それぞれの数的バランスも大切で、
どれかが多かったり、少なかったりすると、生態系そのものを崩しかねません。
ですから、自分の生態的地位がない生物は、淘汰されるように自然界はできています。
生き物だけがそこで生きて行くことができるわけで、その生態的地位がニッチです。
その生態系で生き残るためには、自分の居場所であるニッチを探す必要があるのです。
これを消費構造にあてはめてマーケティング用語にしたのがニッチ市場という言葉です。
ひとつの生態系のなかに植物と草食動物と肉食動物が生息する関係は、
生産者がいて、消費者がいて二次消費者がいるというマーケット構造に
非常によく似ています。
商品にニーズがあるかどうかは、マーケットの中での競合商品や顧客になりうる
消費者の数などのバランスで決まります。
たとえば、レストランをはじめようと思った場合、A町には飲食店が多いが、
B町にはラーメン屋と寿司やしかなかった、とすれば、B町への出店を考えるのが
当たり前です。
ニッチの考え方とは、つまりはこういうことで、自分の店や商品が、消費者に求められ、
生き残ることができる場所があるかどうかを考えることが重要なのです。
単純にすき間と考えてしまうと、
うまく行かないケースもあります。
たとえばA町にない飲食業を徹底的に調べ、いまはやりのスンドゥブ専門店を
出したとします。まだ、A町内には一軒もないことがわかったからです。
しかし、田舎町のA町にはスンドゥブの知名度はなく、お客は集まりません。
いくらすき間を見つけても、そこにニーズがなければ、意味がないのです。
ニッチマーケティングの本質は、すき間を狙う、ということでなく、
まだ競合の少ないニーズの在処を狙うということ。
つまり、まだ顕在化していないニーズを探すことが大切だということです。
自然の生態系もさまざまな環境の変化によって変わるわけで、その変化に合わせて
ニッチをとる生物も変化します。
マーケットはさらに早いスピードで変化しているわけですから、ニッチの数、構造、
棲み分けの仕方もまさに日々変わります。
それをしっかりと見極め、新しいニッチをいち早くおさえていくことが、
もっとも大切なことと言えるのではないでしょうか。
言葉の意味を正しく理解することは大切です。
ニッチマーケティングも正しい意味を知っていれば、とても役に立つ言葉だと思います。
あなたの商売は、その市場で、ちゃんとニッチをとっていますか?
市毛秀穗
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