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Posted by だてBLOG運営事務局 at

2011年01月10日

お客様から選ばれる宿、お客様を選ぶ宿

旅館ホテル販促鍛錬塾は、2009年9月1日にスタートしました!

スタート前から、僕を信じて、塾生になっていただいた皆様、
ありがとうございます。

あなたがいるから、僕は頑張ることができます。

ネット(オンライン)と現場(オフライン)と
それらの販促を融合できる人や会社は少ないですから、
何とか役に立てるよう、謙虚に、でも熱く、
日々鍛錬しております!

鍛錬塾は、いつでも門戸を開いています。

出し惜しみ無しで行きますよ~っ!

今回は、僕が日常的に接している宿のオーナーの気持ちになって、
「こんなこともあるよなぁ」というイメージを
手紙風に書いてみますので、
宜しければおつきあいくださいませ。


  あなたは、自分の宿が、他の宿と何がどう違うのかと、
  ふと疑問になることがありますね?
  もちろん全然違うのですが、一般のお客様から見たとき、
  その違いは明確に表現・体現できているかどうか・・・?
  1泊2食付きで、地元食材を提供、温かいおもてなしの心で接客し、
  お帰りいただくのは、どんな宿でも基本的には変わらない・・・。
  自分の宿のいったい何が良くて日々のお客様はいらしているのか?
  自分が、宿としてこだわっていることは、本当は何なのか?
  どんなストーリーを表現すれば、お客様の琴線に触れるのか?
  あなたは常に考え、実行しています。
  でも、それが業績に反映されていないことに、
  あなたは深く悩んでいます。
  安くすれば、来てくださるのだろうか?
  近い人なら、来てくださるのだろうか?
  「自分の宿に足りないものは何なのだろう?」
  あなたの自信が揺らぐ瞬間です。
  借り入れている金額を思うと、
  あなたには、自分の宿の10年後が想像できません。
  「自分は創業者ではないし。」
  そんな言い訳が、頭をかすめることもあります。
  家族のため、会社のため、社員のため、自分のため、
  取引先のため、地域のため、社会のため、
  もちろんお客様のため・・・。
  ひとりの時間を持つと、あなたは悩みます。
  「私は、なぜ、旅館業を営んでいるのだろう?」
  誰かが言っていた台詞を、あなたは思い出します。
  「旅館業は、目に映るすべての人がお客様です。
   いつ何時、誰がお客様になってくださるか分からないから、
   常に、誰に対しても、誠実で、優しい自分であるよう心がけたいですね。」
  ・・・確かにそうだ。
  でも、あなたの中には、疑問も残ります。
  「すべての人を満足させることなど出来ない。」
  さらにあなたは考えます。
  「商売のコツは、リピーターづくりではないのか?」
  「口コミで来たお客様も広義のリピーターと言えないか?」
  この考えに、あなたは確信を持っています。
  でも、現実との乖離に、あなたは悩んでいます。
  多くのお客様に「また、来るよ」と言っていただけるサービスを、
  自分の宿は提供できていないのではないか?
  「どうしたら、お客様から選ばれる宿になれるのだろうか?」
  そして、あなたは、恐怖します。
  去年も一昨年も、自分が、まったく同じ悩みを抱えていたことに!
  これは永遠の課題なのか?
  それとも、解決可能なものなのか?
  あなたが、おぼろげながら出す結論もいつも同じです。

  「施設は経年劣化を免れないし、
   立地環境はおいそれとは変えられない。
   だとすれば、宿の生命線は、おもてなしでしか有り得ない。
   リピーターになってくださるかどうかは、
   人による接遇と細やかな演出がポイントだろう。
   そして共感を呼ぶコンセプト。
   さらに、クチコミになるような独自のサービスを
   提供しなければならない。
   選ばれる宿とは、独自性のあるおもてなしの宿であり、
   これはどんな時代にも通用する不変の真理本質だ。」
  さて、あなたは、惜しいところまで来ていますが、
  この数年、堂々巡りになっているようですね。
  おもてなしの自社ブランドを創る。
  これはいいでしょう。
  でも、「すべてはお客様のために」が徹底されている
  日本一の誉れ高い加賀屋様や、
  「NOと言わないサービス」で各界の尊敬を集めている
  リッツカールトン様になれますか?
  それはなれないでしょうし、なるべきでも、
  目指すべきでもありません。
  ひとつヒントを言えば、
  「選ばれる宿」を考えることは止めて、
  「お客様を選ぶ宿」という発想を持ってください。
  
  僕は、平成元年から100軒以上の旅館の商品企画と
  集客アドバイスをしてきましたし、
  有り難い出会いを重ねてきました。
  その中で想うのは、
  お客様にアプローチする施設様が繁盛するのではなく、
  お客様からアプローチされる施設様が繁盛するということ。
  規模の大小の問題はあるにしても、
  知恵と工夫で解決可能だと思います。
  すべての商売は「お客様との関係づくり」です。
  また、商品の磨き込みの延長に、WEBがあり、
  メディアがあり、パンフレットがあるのです。
  まずは経営動機の確認と、商品コンセプトづくり。
  
  一緒に頑張りましょう。
  
タグ :旅館ホテル


Posted by しるばーうるふ at 19:47Comments(0)しごと

2011年01月10日

農場主の娘は馬が好き?

価値の創造を考えるとき、
僕はいつも思い出す逸話があります。

リスクリバーサル(購入障壁を取り除く提案をした販売促進)
という発想に基づくもので、
「価値の創造」と組み合わせたならば、
最強の効果を発揮するでしょう。

以下は「ハイパワー・マーケティング」という本に紹介されているものです。

 ある農場主が幼い娘のために馬を買おうとしたところ、 
 町では2頭が売られていました。どう見ても同じようなポニーでした。
 でも値段が違います。
 一方は500ドル、もう一方は750ドルです。
 同じ商品の価格差が1.5倍です。
 しかし、農場主が買ったのは後者の高い方でした。
 何故でしょうか?実は、答えは明白です。
 750ドルの馬は以下のようにして販売されていたのです。
  ■1ヶ月間のお試し期間あり。
  ■1ヶ月分の干し草付。もちろんあなたの家まで運びます。
  ■お試し期間は週に一度、講師を派遣して世話の仕方を伝授。
  ■期間が終わったら、ポニーを引き取り馬小屋を掃除して帰ったらいいか、
   それとも代金の750ドルを払ってもらえるかを、改めてお訊ねします。

・・・ということですね。

本当に答えは明白ですよね。

これを「リスクリバーサル」と言います。

お客様の「購入障壁を取り除く」戦術なのです。

この話にはホスピタリティーもある上、
購入にあたってのリスクは限りなくゼロです。

例えばあなたのWEBサイトでは、
旅行者が抱く経済的、心理的、感情的な障壁を、
どのように取り除いているでしょうか?  


Posted by しるばーうるふ at 19:23Comments(0)しごと

2011年01月10日

気持ち悪い総支配人の話

僕の尊敬するホテル総支配人にHさんという方がいます。

いつも楽しく熱いお話を聞かせていただいているのですが、
先日もすごい話を聴きました。

夜中でも、朝方でも、ガバッと跳ね起きて・・・。

自宅寝室の壁に予め貼ってある模造紙に、
夢に出てきたアイディアを、
その場で書き込むんだそうですよ。

アイディアというものは、
浮かんだ傍から消えてなくなるものですから、
紙とペンを肌身離さない習慣は大事です。

でも、大きな模造紙を自宅寝室の壁に貼っているという話は、
ありそうでありません(*^_^*)。

奥様から言われるそうです。
「気持ちワルイ」と・・・(笑)。

そうですね、
夜中に飛び起きて壁に何かを書いているオヤジ(失礼)というのは、
確かに「気持ちワルイ」。。。
でも、その姿勢に学びがあります。

 ●ホテルの宿泊企画
 ●社員へのモチベーションアップ
 ●どうしたらお客様にもっと喜んでいただけるか?
 ●どんな商品が、求められている時代なのだろうか?
 ●ホテルの将来を考えたとき、いったい何をすれば?

彼の頭の中は、常にそうした自問自答で満たされているようです。

温めているアイディアも数多く、
それぞれが実行のチャンスを待っている状態なのです。

凝り性な方で、興味のあることや、
売上につながると判断したことに対して
ものすごい集中力で取り組み、玄人裸足の結果を出します。

そして、特にすごいと思うのは、その「伝播力」ですね。

そこは1000名規模の宿泊ができる巨大ホテルです。

日々の集客の大変さは想像に難くない。

そして何より、沢山のスタッフひとりひとりに、
その企画やアイディア、考え方を理解していただかないと
成功しないのですよね。

総支配人たったひとりが騒いでいても何も変わらないわけです。

社員ひとりひとりが理解して行動しなければ、
結果にならないわけですから。

あるときは、一人の社員に理解してもらうため、
三日三晩、目が合うたびに話したそうです。

絶え間なく伝える努力。。。

できそうで、できないことですが、
それを続けたとき何が起こるかが分かっていれば、
やる価値があります。  
タグ :旅館ホテル


Posted by しるばーうるふ at 19:05Comments(0)しごと

2011年01月10日

話題のツールづくり

創業間もない頃、数軒の顧問先のうちの2軒様に対して、
●1軒には「オーナーの想いをぶつけた冊子」を、
●もう1軒には「宿の魅力を漫画にする」ということを
提案し、ご了解をいただきながら、制作に入りました。

これは僕の中では、その施設様にとっての
「パブリシティー素材」でもあります。

つまり「 話題のツールづくり 」です。

話題のツールができるとどうなるか?

★地元新聞で記事として取り上げられます。
★しかもその記事は、客室等において永続的にPRネタになります。
★ネットでも閲覧できるば、うちに合ったお客様を呼んでくれます。
★持ち帰った人が、口コミのネタとして使います。
★社員やパートさんが、面白がって話してくれます。

また別の、とある親しいお宿様には「宿かるた」を提案する予定です。

その宿のおもてなし(「環境、施設、料理、サービス、衣・食・住」)を、
お客様から募集してカルタを制作しようという構想。
(これは、鍛錬塾とは違う個別訪問先で、
 1度にお受けできるのは3軒様まで。
 最低3ヶ月~最大半年で完了する個別アドバイス業務)

いずれにしても僕の販促は「話題づくり」を柱に
展開するケースが多いです。

口コミは「社員が起こすもの」だと考えていますから、
話題づくりが欠かせません。

すべての商売は「お客様との関係づくり」。

商品の磨き込みの延長に、WEBがあり、
メディアがあり、パンフレットがあるのです。

それが本筋です。

テクニックは、外部からでも調達可能ですが、
すぐに陳腐化します。

しかし、マインドやブランドは、
内部調達するしかないものの、
永続的に事業の発展に寄与します。  


Posted by しるばーうるふ at 18:56Comments(0)しごと

2011年01月10日

人シフト、時間シフト

京都在住、価値をプロモートする
コピーライター前田めぐるさんから聞いた話。
http://www.value-p.jp/

「人シフト、時間シフト」

自転車好きの、駅に近い銭湯の店主が、
近代的なスーパー銭湯や岩盤浴スパに負けない戦略を編み出した。

それは、
「夕方お風呂に入ってもらおうと思うからいけなかったんだ。」
という気づきが与えてくれた金脈。

自転車好きの、駅に近い銭湯の店主が得た気づきと行動とは?

以下、めぐるさんは続けます。

入湯客じゃなくてもいい。
駅まで自転車に乗ったり、ウォーキングしたり、
ジョギングしたりする人にシフトしてみよう。
じゃあ、試しに早朝、銭湯を開けてみよう。
駅の駐輪場前のところでチラシを手配りしてみよう。
「人シフト、時間シフト」
自転車乗り、ジョギングする人、ウォーカーさん達。
口コミが広がって、古い銭湯は大繁盛。
「健康志向+清潔志向+早起き志向」
「広告がダメなら、狭告でいいじゃない」

さすがめぐるさんです。
お近くの方はお近づきになられては?
http://valuep.livedoor.biz/

で、京都のめぐるさんネタをもうひとつ。

彼女曰く、京都のブライトンホテルさんは、
近くに緑がいっぱいの京都御所があるので
早朝の散策会が行われているそうですね。
http://www.brightonhotels.co.jp/kyoto/service/gosho/

そもそもは・・・・ある日、早起きしてロビーで
時間を持てあましているお客様にふとスタッフが
「朝の御所は気持ちがいいですよ。ご案内しましょうか」
とご案内し、大変喜ばれたことがきっかけだそうです。


それで思い出したのですが、
僕が十数年お世話になっている「陽日の郷あづま館」鈴木社長も、
福島は二本松「岳温泉」がある安達太良山を愛し、
「早朝散歩」を続けています。

先々月、経営体制が変わったのですが、
その志は変わることなく元気そのものです。

鈴木社長が言っていました。

「多くの旅館では『癒し』を提供している風に謳っているが、
 うちは、癒しの先にある『元気』を提供したいんだよ」

癒しではマイナスをゼロにリセットするだけ、
さらに、プラスのエネルギーを与えたいという想いが素晴らしい!


話は戻って早朝散歩ですが、
スタッフの発案ってところが素晴らしいし、
それが定着したところも素晴らしい。

鍛錬塾風に言えば、

「今日、まさに、来ているお客様に『思い出』という名の
 『口コミ素材』をお持ち帰りいただけること」

が素晴らしい!

最後に、京都のブライトンホテルさんのサイトをつらつら見ていたら、
記念日サプライズをお手伝いします!
アニバーサリープランナーに相談!
http://www.brightonhotels.co.jp/kyoto/omedeto/
というコンテンツが!

僕が、旅館やホテルの社会的使命だなぁと考えている、

「家族や知人との会話不足に陥っている日本を、
 コミュニケーションリッチ(豊かな会話)にする」

の一形態だと感じました。

同ホテルのコンシェルジュから
「ブライトンに泊まれば、
 二日目の京都はもっと素晴らしいものになる」。
http://www.brightonhotels.co.jp/kyoto/concierge/

これまた、いい志事(シゴト)をしてらっしゃるようです。

一緒に頑張りましょう。  
タグ :旅館ホテル


Posted by しるばーうるふ at 15:38Comments(0)しごと

2011年01月10日

アルゴリズムにどう働きかけるか?

今日は、楽天さん、じゃらんさん等々のポータルサイトで
売上を創るためにおさえておきたい指標などについて記します。

 ◆アクセス数は、地域表示順に影響を受ける。
 ◆転換率は、ページ情報量に影響を受ける。

ポータルサイトのアクセスを伸ばすには、
楽天さんも、じゃらんさんも、
基本は「地域表示順」の改善です。

転換率(成約率)については、
いろんな施設様のポータルサイトを拝見していますが、
例えば楽天カスタマイズページなど、
少し改善すればいい影響を出せるのにと感じることが多いです。

ポータルサイトにおける地域表示順は、
ポータル側が独自に設定しているアルゴリズムに
左右されることは皆様ご存知のことですが、
それに働きかけるには最終的には時間と費用がかかってしまいます。

ではどうするか?

(アルゴリズム=ある特定の問題を解いたり、
          課題を解決したりするための計算手順や処理手順のこと。念のため)

★口コミ評価
★プラン数
★5ヶ月先までの在庫投入
★売上額
★広告投下量
★総合的クオリティー

これらアルゴリズムにいい影響を与えるには、
時間と費用、
そしてある程度の「施設規模」が必要になってくるわけです。

時間の経過と共に益々良くなる施設様と、
上位への食い込みが難しいままリカバリーできない施設様に
分かれてゆく傾向も否めません。

まずは以下のことを再考してみてください。

・売上アップの要請は「表示順」です。
・表示順が上がればページビューもあがります。
・表示順は、楽天さんじゃらんさん共に、複雑なアルゴリズムから成り立っています

が、
以下の施策をする事で効果が期待できます。

①画面クリーニング(使用する画像などの精査)
②プラン数の確保(プランの細分化含む)
③プラン表現の工夫(プラン名、キャッチコピー)
④雑誌との連動(じゃらんさん) 
⑤料金対策(限定廉価商品の投入)

そして上記は、Rメールの活用含め、
楽天さん、じゃらんさんの、営業担当者と
打ち合せを必要とします。

①~⑤について、担当者に提案を求めてみてください。

販促パックなど、有料の提案も含まれるかもしれませんが、
総じて彼らは、誠実に細かく提案してくださると思います。

打ち合わせにあたって、
       目標を共有してください。

【例】
1日あたりのベージビュー300 → 450へ
月間の宿泊人数150人 → 200人へ
月間売上金額150万円 → 200万円突破へ

また、閲覧者は、
どんな経路で貴施設のページまで辿り着いているのか?を、
聞いてみてください。

これは楽天さんもじゃらんさんも出せないデータかもしれませんが、
担当者の意見を聞くだけでも、
ヒントを見出せる可能性があります。

いずれにしても、目標共有(数字と達成期間)は大切です。

トライしてみた結果をご報告いただけると、とても嬉しいです。

一緒に頑張りましょう。
  


Posted by しるばーうるふ at 15:16Comments(0)しごと

2011年01月10日

あなたは、自分の宿に泊まりたいと思いますか?

旅館様のおもてなしブランド構築のお手伝いは、
以下の質問から始めることになりそうです。

「あなたは、自分の宿に泊まりたいと思いますか?」

全国5万数千軒の旅館の中には、
バブル時代の「ツケ」を支払うことに忙殺され、
明日の見えない舵取りを余儀なくされているところも珍しくありません。

旅館の民事再生や買収劇は、
ますます加速しているように見えます。

毎年100軒ペースで大型・老舗含む旅館が倒産しているのです。

平成元年、旅館の数は8万軒ありました。
平成21年の今は、5万軒です。

この現象の要因は

「老朽化による陳腐化」
「消防法改正などによる既存建築物不適格」
「後継者不在」
「団体客から小間客という旅行形態変化への対応不足」

等々が上げられますが、
やはり深刻なのは「業績不振」です。

旅館業界は金融機関からも「不況業種」のレッテルを貼られています。


仙台で、レストランを5軒、
それもまったく違ったデザインとコンセプトで展開し、
すべてを繁盛させているオーナーがいます。

そして彼から教わった商売の本質に迫る話に、
僕は激しく膝を叩いたものです。

それは、多くの経営者にとっても、
魂に手斧を打ち込まれるが如き衝撃を受ける話だと思います。

極めて当たり前の話ですがご紹介しましょう。

「あなたの会社の社員は、休日に恋人と、あるいは家族と、あなたの店に来ますか?」
「そして、あなた自身は、いつでもご自分の店を利用したいと、心から想いますか?」

いかがでしょうか?

経営者に限らなくとも結構です。

自分が提供している、あるいは携わっている、
はたまた勤めている会社の商品やサービスを、
自分自身が
「買いたいかどうか?」

この質問に「YES」と即答してこそ、
商売をしている意味があります。

僕のバックボーンは旅館やホテルです。
と言っても、宿泊施設を経営しているわけではありません。

宿のコンセプト、建築デザイン、料理、サービス、
そしてその広告宣伝・販売促進のお手伝いを生業として
21年になるというわけなのです。

誇りを持ち、日々楽しくも激しく格闘し、
お客様に「心揺さぶる感動」をお持ち帰りいただいている
多くの旅館様と出会って来ました。

「自分の宿に泊まりたいですか?」という質問にも、
即答でイエスと答える人たちです。

そこには、「おもてなしの心」という、
すべてのビジネスに直結するセンターピンが立っているのです。

・あなたの宿は、他の宿と何がどう違うのですか?
・お客様は、何が良くていらしているのですか?
・宿としてこだわっていることは何ですか?
・どんなストーリーがあるのですか?
・お客様に知って欲しいことはありますか?
・あなたの宿に足りないものは何ですか?
・10年後を想像(創造)できそうですか?
・そしてあなたは、なぜ、旅館業を営んでいるのですか?

これらの問いに答えることが出来たら、
昨日と違う宿づくりのスタートラインに立ったことになるのです。

僕は、ご縁あって、多くの旅館ホテル様に関わってきました。

会社員時代も、そして今も、旅館業界とのご縁は切れないようです。

だとすれば、繰り返しますが、これは僕の仕事の「役割」であり、
人生における「使命」でしょう。

一緒に頑張りましょう。  
タグ :旅館ホテル


Posted by しるばーうるふ at 14:56Comments(0)しごと

2011年01月10日

売上を1.5倍にしろと言われたら?

ホームページの売上は、以下の黄金率で決まります。

「アクセス数」×「成約率」×「人数」×「単価」

今、確実に早急に、売上を1.5倍にしろと言われると、
ハードルが高いと感じてしまうかもしれませんが、
実は、上記が掛け算であることに注目していただきたいのです。

あなたの宿が、仮に、

●1日300アクセス×1%×2人×10000円=6万円。

という売上式であったとします。
(計算しやすいような数字にしています)

どうすれば、売上が1、5倍になると思いますか?

例えばアクセスを450にしましょうか。
すると確かに売上は9万円になります。

例えば成約率を1.5%にしてみましょうか。
こちらも確かに9万円になります。

人数も、単価も同様です。

どれかひとつを1.5倍にすると、売上も1.5倍になります。

でも、アクセスをプラス150呼び込むための労力と費用。
成約率を1、5倍にする工夫と時間、そしてコスト。
人数も然り、単価に至っては、
施設含めた商品そのものを見直さなくてはならないかもしれません。

ちょっと気が重いですね。
では、以下のような発想はどうでしょうか?

※それぞれを1.1倍にしてみる。

実は、これで同じような結果を出すことができます。

●1日330アクセス×1.1%×2.2人×11000円=87,846円です。

※それぞれ10%アップの努力をしただけで、
 売上は1.46倍にアップしました。

 ・アクセスを1割増し、
 ・成約率も1割増し、
 ・人数と単価も1割増し

というように、それぞれ個別に「 小さな努力 」をすることで、
結果は「 1.46倍 」になるわけです。

だから、売上を1.5倍にしようなどと考えなくてもいいのです。

それぞれを1.1倍にしようと努力してみてください。

一緒に頑張りましょう。  


Posted by しるばーうるふ at 14:42Comments(0)しごと

2011年01月10日

おもてなしの定義と精神

勘定が「感情」に左右されるという体験は、
誰もがしているのではないでしょうか?

人は好きな会社から、お気に入りの商品を買いたいのです。

成熟した社会では、サービスの質や、企業哲学がモノを言います。

人は、好きか嫌いかで商品やサービスを買うのです。

機能や条件を競う時代から、
人や企業理念に共感していただく時代になっています。

モノが売れない時代の戦略キーワードは「おもてなし」です。

企業格差とは「お客様の共感」に立脚した
イマジネーションとコミュニケーションの格差なのです。

だから安売り競争などの未来の無い戦略はできるだけ止めましょう。

ここでは、繁盛している宿泊施設を事例に、
モノが売れない時代でも繁盛するための具体的解決策

「あり方と、やり方」

を提示します。

-----------------------------------------------------------------------------------------
「おもてなしの定義と精神」
-----------------------------------------------------------------------------------------
恋人や親にはしてあげられるのに、
お客様に対して、同じことができない人がいます。

まずは、「おもてなし」を定義してみましょう。

【おもてなしの定理その1】
おもてなしとは、親や子にするように人様を心配し、心配りをして差し上げることである。

【おもてなしの定理その2】
各人の分野において、相手の立場・感覚を重視し、ギブ&ギブの精神で、
「とても気にかけてもらっている」と相手に心地よく想ってもらうことである。

【おもてなしの定理その3】
相手をもてなすことを通じて、「人の役に立つ幸せ」を存分に享受すること。
そして、その「幸せな自分」を200%行使し、さらに、幸せな人を増やしてゆくこと。

ところで「もてなし」の語源は、
「モノを持って成し遂げる」という意味と、
「表裏なし」という意味にあります。

また、古くから言うところの「もてなし」とは、
瞬時に消えてしまう言葉、表情、仕草を含みながら、
掛け軸、絵、茶器、匂い(御香) などを総合的にコーディネートすることを指します。

それでは、似たような言葉で、
サービスとホスピタリティーがありますが、その違いは何でしょうか?

元、月刊ホテル旅館編集長にして、鍛錬塾メルマガ執筆者である
松坂健先生曰く、
「サービスは状況追随」で「ホスピタリティーは対人追随」
との解釈。

サービスは業務であり、マニュアルで規定された「仕事」。
「いつでも・どこでも・誰もが・誰に対してでも」

ホスピタリティーはというと、
業務レベルが100%果たされているという前提で、業務にプラスアルファされたもの。
「この時・この場・この人だけ」

サービスには反復性が必須、
でもホスピタリティは一回性のもの、
とのこと。

当然「おもてなし」はホスピタリティーの領域に入ります。

以上のことを頭に入れて、宿泊施設の繁盛事例をお読みください。
宿泊施設は、環境・施設・料理・サービスの総合商品です。
きっとお役に立つ内容と信じています。


★おもてなしとは「コンセプト」です。【湯主一條様の事例】
http://www.ichijoh.co.jp/

六百年もの間、事業を続けることが容易でないことは想像に難くないと想います。
ここに第二十代当主と女将が心血を注ぐ宿があり、
名前を「時音の宿 湯主一條」と言い、
宮城県は鎌先温泉にあります。
コンセプトはタイムトリップ、テーマは「森」。
大正時代の本館は木造一部4階建のシンボルであり宝。
地元木材を使い、宮大工によって「釘を1本も使わずに建てられた」歴史的建造物です。
これを、そのままレストランとして新しい命を吹き込み、
2008年に総リニューアルした斬新なデザインの新館との最強のコントラストから、
「タイムトリップ」という切り口で、懐かしさと新しさを同居させることに成功しました。
エコラグジュアリーな客室棟から、
館をつなぐ「時の橋」を渡って、
歴史的建造物で、「森の晩餐」と言われる創作和モダン会席をいただく贅沢。
当然ながら繁盛旅館です。
老舗の良さに加えて、館主夫婦のバックボーンは
東京の高級ホテルのコンシェルジュであることが、
そのホスピタリティーに独自性と新しさを加えていると想います。
自噴600年の傷に効く「薬湯」と手堀洞窟からの「つや肌の湯」。
7種類の客室は、環境にも配慮したエコラグジュアリー。
某ポータルサイトで「東日本1位」「東北1位」に何度も選ばれたお料理は、本当の意味で創作系。
館主が手塩にかけて育てた「一條菜園」からの野菜も好評。
さらに女将主宰のアイリッシュハープコンサートや、エステメニューの数々は、
女性のみならず広く支持されています。


★おもてなしとは「イノベーション」です。【庄助の宿瀧の湯様の事例】
http://shousuke.com/

福島県会津と言えば「小原庄助さん」。
自らの「館名(館内で名乗る名前)」を、小原庄助と名乗るほどの、
こだわりと遊び心のある館主がいる宿が、庄助の宿瀧の湯です。
ここは「あったかふるさと『をんりーわん』宣言」の宿であり、
「地産旬消」をテーマにした食材・料理をはじめ、
歴史、風景、自然、施設、そして想い出を、
常に提供することを使命としています。
この宿では、「いらっしゃいませ」ではなく、
「おかえんなんしょ(会津弁でおかえりなさいの意味)」
という言葉を使い、来客をもてなしてくれます。
その特徴は、常に施設やサービスを「イノベーション」していることです。
この1年でも、新たに露天風呂や貸切風呂やダイニングを、
景観を生かしながら複数オープンさせていますし、
企業戦略として「エンドレス設備投資」を掲げています。
食事会場にしても、
川辺の和ダイニング「蔵ssic」、
料亭「開花亭」、
ぎゃらりーだいにんぐ「花みずき」、
さいかちテラス
などを持ち、提供スタイルや雰囲気、食事内容が選べるという徹底ぶり。
いやいや、設備投資をしなさいという話しではありません。
その根底に流れる
「郷愁」
と、
「嫁いでいった我が娘を実家で迎える気持ち」
というホスピタリティーという名の旺盛なサービス精神に触れていただきたいのです。
お客様を喜ばせようとする徹底した遊び心は
「ごゆるりエンターティメント」
とも言うべき、見事なものです。


★おもてなしとは「人そのもの」です。【湯本舘様の事例】
http://www.gozu-yumotokan.com/

この宿を知って、新潟が好きになりました。
宿泊施設の基本要素は「風呂・部屋・料理」ですが、
逆に言えば湯本舘には、それしかありません。
でもそれでいいのです。
ただただ、人が温かい。
それが湯本舘の魅力。
客室に飾られている書は、地元書家である横山蒼風先生のものですが、
その中の詩に
「いつでも、あなたのお母さん」
というのがあります。
まさに、湯本舘のイメージそのままです。
山の一軒宿ですが、秘湯というほど遠くなく、
施設も清潔で綺麗な和風旅館。
野趣溢れる露天風呂と、ゆっくりできる雰囲気、
新潟の旬を味わう料理があれば、他に何を望みましょうか?
そして接客係はじめ、スタッフの皆さんの「ほのぼのとして優しい対応」は、もちろん、
「うちの良さは、人の良さ」
と語る館主、女将さん、若女将さん、若旦那さんのお人柄の賜物です。
施設の豪華さに目を奪われない分、人の優しさが身に沁みます。
その象徴的イベントは、「味噌づくり体験ツアー宿泊プラン」です。
毎年春に3日間程度行われるこのイベントでは、
宿泊者と宿のスタッフが総出で、味噌作りを行います。
新潟県産の大豆、笹川流れの塩で有名な日本海ソルトの岩塩、
地元農家の米麹菌で増殖させた味噌麹だけを使い、
安心安全、そしてメチャ美味しい味噌を作ります。
館内で使用している味噌は、この時に作ったものだけを1年中使っているのです。
また、この宿のパンフレットは、なんと20ページ前後の「マンガ」冊子です。
ジョッピー君というムササビのキャラクターが、
環境・施設・料理・サービスを楽しく紹介しています。
(僕が立案企画制作させていただいたのですが(^_^;))


★おもてなしとは「マメなこと」です。【松渓苑様の事例】
http://www.shokeien.com/

ここの館主ほど、マメで律義な人を知りません。
お礼状やメールのレスポンスの良さは、おそらく福島県一番でしょう。
この宿は、見事な庭園と回廊に配した風情ある客室だけでも、充分に魅力的なのに、
館主と女将のパーソナルタッチが素晴らしいので、
周囲の不振を他所に繁盛しています。
そしてそれが館内やスタッフにも伝播し、独自の「空気感」を創っています。
かがり火で迎えられたお客様は、チェックイン時に見事な庭園を目にします。
そのラウンジ周りでは、サイフォンコーヒーや、
テーブルに置かれたミニ和風ガーデニング、
女将の手による陶芸作品に触れることができます。
これはいずれも「お客様との会話を創る仕掛け」でもあるのです。
そして部屋に入れば、これまた女将直筆の歓迎短冊が置いてあり、
館内案内には
「ラウンジは夜になるとワインバーになること」
「数種類の地酒が楽しめる飲酒(ヤムシュ)セット」
などの楽しい情報が記載されています。
また、前述した陶芸は「めぐみ工房」として
館に隣接したところで「体験」でき、
ひと月後に、女将によって釉薬された自分の作品が届き、
旅の想い出が、また再来や紹介を生みます。
温泉は、天然温泉の中でもさらに珍しい「酸性泉」。
高村光太郎の「智恵子抄」でも謳われる安達太良山からの引き湯でもまれ、
やわらかい湯となって旅人を癒します。
女将、若女将の心遣いが館内に満ちて、
マメな館主が様々にご縁を繋げ彩って行く。
そんな繁盛の方程式が、この宿の強みです。

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「お客様との会話の質を上げ、その量を増やすことは、繁盛の基本」
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4つの事例に共通するものを上げるとすれば、各事例のタイトル通り、
「コンセプト」
「イノベーション」
「人そのもの」
「マメなこと」
です。

もう少し詳しく解説すると、次の、1~5、を実践しているということでしょう。
1、常に自社の棚卸しを行い独自固有の「物語」を紡いでいる。
2、仕事を「志」に転換し社員・取引先・お客様の共感を得ている。
3、自分たちなりの「ブランド」を見つけ「得意客層」がある。
4、お客様との「会話の質」を上げ、「会話の量」を増やしている。
5、今日のお客様を大切にし「想い出づくり」に貢献している。
以上の5点です。

だから、クチコミや紹介が自然に発生し、
広告に頼ることなく、たくさんのご来館をいただいているのです。

コンセプトがはっきりしていれば、両想いのお客様と出逢えます。

競争するためのイノベーションではなく、
同業異業との「協奏」を目的にしています。

クチコミは起こすものではなく、自然に起きるものと自覚しています。

お客様は集めるものではなく、集まるものであると自覚しています。

「やり方」だけにこだわらず、自館の「あり方」にこだわっています。

お客様に提供するものが、明確です。

お客様は、「選ぶ理由、決める根拠」を必要としています。

それに応えるには「想いの深さと、適切な表現」が必要でしょう。

ブランディングとは、個性を際立たせ、
継続的に進化・表現していくことであり、
少しくらい値が張っても、
そこから買いたいと思ってもらう動機を作ることです。

もっと、分かりやすく言えば、「ファンづくり」です。

ここでご紹介した宿は、「独自のおもてなし」を以って、
お客様の想い出づくりに貢献し、
ファンになっていただいていると言えます。

そうした意味で、「愛情と感謝のある宿」ということなのです。

お客様に関心を持ち、あることを当たり前と思わず、
愛情と感謝を無限に注いでいます。

しかしそれらは、どんな商売にも必要であり、
その気持ちがお客様に伝わったとき、
永続企業が生まれるのだと想います。

まぁ、そこまで肩肘を張らなくても、
どんな商売においても、恋人や親にしてあげるのと同じことを、
お客様にしてあげればいいのだと想いますけどね。  
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Posted by しるばーうるふ at 14:18Comments(0)しごと