お客様が抵抗できないただ一つのもの

しるばーうるふ

2011年06月11日 20:33


僕が敬愛してやまない「3%の会」黒木安馬先生から教わった話し。
今回もまたちょっと「膝を打つインパクト」があったのでご紹介しましょう。


3週間ほど前のこと、黒木さんは、自身がコンサルタントを
請け負っている紳士服メーカーの工場視察に出かけたのですが、
次のような体験をしたそうです。


●応接室に通されて間もなく若い女性がお茶を持って現れた。
 彼女はお茶を差し出すと、あらためて一つお辞儀をしてからこう
 言った。

「恐れ入りますが、ご用件がお済みになりましたら、
ほんの少しお時間をいただけませんでしょうか?

実は手前どもにはお客さまにぴったりのスーツがたくさん揃って
います。それを是非一度ご覧頂きたいと存じまして・・・」

※黒木さんの心中は、

「これはひょっとしたら売込みかもしれないなあ・・・」


●彼女と入れ替わりに、顔見知りの男性係長が挨拶に来た。

「お待たせして申し訳ありません。
 課長は生憎ただいま来客中で。
 あと10分ほどお持ちくださるようにとのことです。

 ところで、如何でございましょう! 
 その間にちょいとご案内申し上げたいところがあるのですが!」

 何と、これまた製品展示場へのお誘いであった。

※黒木さんの心中

「これは本当に売り込みだなぁ、仕方ないなぁ・・・」


愛社精神が高いのはいいですが、露骨な売り込みは嫌ですよね。

果たして、黒木さんの運命やいかに?(^^)?


●腰を上げかけたところへ、ようやく課長が現れた。

二人に連れられて、縫製工場を一回りして、
再び応接室に着いてほっと一息ついたときである。
課長がこう言う。

「いやあ、実はもう一箇所ご覧頂きたいところがあるのですが!
いいのがあるんですよ、新柄の!」

何と、これまた展示場へのお誘いである。

※黒木さんの心中

「おいおい、これで三人目だよ。どうなってんの?」
「初めて訪ねてきたお客に、よってたかって売込みとは・・・!」
「このガメツさは、ただごとではなさそうだ。」

●それから二時間後。

さらに、3人もの社員から製品展示場に誘われたのである。

一人は、社員食堂で隣り合わせた年配の女性。
二人目は、廊下でぶつかりそうになった作業服の青年。
三人目は、かつて研修会で指導した社員の一人であった。

応接室の女性から始まって、4人、5人、6人と誘いを受けるごとに、
心の中にある種の感動が、どんどん大きく広がってきた。

※黒木さんの心中

「いやあ、これは凄い会社だ、参った参った!」

ということなのです、ってどういうことか(^_^;)?


順を追って行くと、黒木さんの心境は、以下のように変わって行った
と言います。

1、がめつい会社だと言う思い
2、いつしか奇妙な会社だ、に変わり、
3、やがて、それが、何と素晴らしい会社だ!
  何と旺盛な販売意識だ! に変わって行ったのですね。
  最後には、
4、もうすっかり感激してしまった。とのこと。

●そして7番目。

それは最初に声をかけてきた応接室の女性であった。

再び彼女と顔を合わせた時、「お疲れ様でした!」と言う彼女の声を
待ち構えたかのように、私は大きな声でこう言った。

「いやあ、お待たせしました! じゃあ、さっそく案内してもらい
ましょうか!」


かくして、1着のスーツがオーダーされることになりました。

人は売り込みを嫌います。

僕の販促アドバイスでも、売り込みは極力避けるような手法を用いて
顧問先様に落とし込みをさせていただきます。

集客より来客。
お客様は自らの意思で購入する。
クチコミは起こさない、自然に起こるもの。

などを実現するために、日々腐心していると言っても過言ではあり
ません。

しかし、今回黒木さんから教えてもらった話しは、真逆です。

ただ、普通の売り込みと違うのは、
「社員が心から、そして自ら実践している」ということでしょう。

これは、会社と商品が好きでなければできないことです。

「愛社精神」

この古くて新しい言葉を、まじまじと考えさせられるエピソードでした。


■うちの会社の新製品はすごいんだよ!
■うちの社長が考えた旅行商品は当たるんだ!
■うちのセクションが一番挨拶がいいって言われてる!

「うちの・・・・」とは、愛着であり、誉れです。

僕はよく、「クチコミは社員から起きるもの」と言います。

社員が興奮して話すような会社が成長するのです。
その興奮が、取引先様、お客様と伝わるから成長するのです。

だとすれば、本日ご紹介したエピソードは、ある意味最高峰ですね。

そして、黒木節は続きます。
以下もまた、膝を打つ話しです。

まずはお読みください。


 その会社の良さを支えている様々のものは一体何であろうか?
 立派な社屋やブランドや野球チームを維持しているものは何だろ
 うか?

 それは一言で言えば「利益」である。
 会社が営業活動を通じて最終的に獲得する利益である。

 この利益があればこそ、あなたの会社は今日もまた健全に機能し、
 私たちも楽しく働け、給料やボーナスが貰え、家庭を維持し、
 未来に希望を抱いて生きていけるのである。

 もし、利益が無ければ、立派な家庭も設備も、人財もみなやがて
 消え去る運命となる。

 私の物も、俺の物も、みんな
 綺麗さっぱりと消え去ってしまうことになる。


すごくないですか?

「利益」の大切さを語った文章として、額に入れて飾りたいくらい
のものだと想います。

そして、黒木さんの結論は、利益の源泉こそセールスであり、
営業職に限らず、すべての職種と役職者全員が、情熱を傾ける
べきものであるということです。

黒木さんの言葉を借りるなら、

 「情熱──そう、お客様が抵抗できないただ一つのもの。」です。

情熱!

確かに、どんなテクニックにも勝ります。

そして、全員がセールスマンならば、実は、出逢う人、目に映る人
すべてがお客様です。

特に社内に1歩でも足を踏み入れた方ならば、宅急便のお兄さんも、
カツ丼の出前の店員さんも、用件や身なりで、分け隔てすることは
できません。

いつ何時、会社を助けてくれるやもしれない大切な方々ですよね。


黒木さん情報は以下にて。

Institute of Success Technology Japan
黒木安馬  講演・研修 出前迅速⇒ www.3percent-club.com
(作家/元JAL国際線客室乗員部 乗務歴30年/飛行2万時間)
Mail: yasuma@myad.jp  090-9817-6822
自分と握手のできる人生創造支援事業【株式会社・日本成功学会】
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