僕は、人生で無駄なことなど何ひとつ無いと思います。
無駄と思える努力でも、表面化にタイムラグがあるだけで「根っこ
は成長している」のです。
あのとき、あれがあったから、
今の自分がいる。
そう実感した経験は、誰しもお持ちだと想います。
「無用の用を成す」
という僕の好きな言葉があります。
無用と思われることでも「無用という名の用を成している」という
ことなのですが、分かりにくいでしょうか?
ということで、
ちょっと仕事と絡めてまとめてみましょう。
「無用の用を成す」とは、
人生において深い言葉なのですが、
このブログの主旨に添って、
販促系の話題で説明を試みます。
●捨てられるDMは無駄?
1000通のDMで、1件の成約。
999通は、捨てられたか、読まれても興味が無かったか、読まず
にどこかにしまわれたか。
「やっぱりDMは効果が無い。無駄が多かった。」
そうした判断は、間違いでは無いでしょう。
でも、そこに発展性はありません。
「1人の顧客を発見するために、
999通は捨てられる必要があった」
正しくは、そう解釈すべきですし、
「999人は、たまたま『その時』は、
購入しなかった。」
というのが正解で、DMの要諦は「継続」なのです。
僕の大切な顧問先様(小さな旅館さん)で、年6回のDMだけで売上
全体の17~18%を稼いでいるところもあります。
旅館という業態では抜群の成績ですし、継続のチカラを感じます。
(商品自体が、エンドユーザーと「両想い」であることも前提)
もちろん、リストの精度、オファー(提案内容)の魅力、クリエイ
ティブ(デザイン)のチカラを、きっちり考えてDMしなければ
なりません。
でも、リスト・オファー・クリエイティブが確かでも、やはり大多数
は反応しない。
しかしながら「見てはいる」のです。
それを信じて「継続的に接触してゆく」ことで、いつか、その商品
やサービスを購入検討のタイミングが来た時に、利用してください
ます。
これが「想起率」という考え方で、農耕型マーケティングの本質。
こちらから取りに行く狩猟型マーケティングに対して、
顧客の「共感」をベースとした農耕型マーケティングの本懐です。
単発の費用対効果にこだわらず、顧客一人あたりの生涯価値
(リピート)や、口コミ戦略(紹介)にこだわるべきです。
●見逃される広告は無駄?
例えば30万部のフリーペーパーに広告掲載して30組の利用客。
レスポンスは、0.01%です。
1万部あたり1人が広告に反応して利用してくれたわけですね。
利用単価3万円の商品として、90万円の売上。
広告費30万円として、広告費割合33%。
高いですか、安いですか?
これはもう、業界次第、目的次第ですが、この事例だと「やや割高」
という見方が一般的。なぜなら「集客目的の広告だったから」。
広告で「直接売上を上げる」のが「目的」だった場合やや割高です。
何しろ1万人あたり、9999人の人に、見逃されたんですからね。
ただ、この広告がフックとなり、半年後にご利用される可能性がある
わけです。また、ホームページを見てもらう機会につながるかも
しれないし、そこでメルマガ読者登録をいただけるもしれません。
もっと言えば、雑誌でも見るかもしれないし、テレビでも見るかも
しれないし、屋外野立看板で見るかもしれない。
つまり「相乗効果の一翼を担う」可能性もあるのです。
以前も書きましたが、広告というのは、小出しにするのが最も
もったいないのですよ。
それならば、広告に頼ることなく「今日のご利用のお客様に集中」
した方がまだましです。
そのことはまた書くとして話を戻すと、
広告で「直接売上を上げる」のではなく「見込み客データを集める」
のを「目的」にして、もっとハードルの低い内容にするという選択肢
もありますよね。
「3万円の商品を買ってください」
では、1万人に一人のレスポンスが関の山でしょう。
「無料で、○○○を差し上げますよ」
なら、1000人に一人(このケースの場合300人)の反応を獲得
できたかもしれません。
その後、取得したリストを活用し、顧客接触回数を増やして、この
300人のうち、60人を顧客にすることを目指せばいいわけです。
しかもそのリストは、将来に渡って活用可能。
とまぁ、いずれにしても
「必要な結果を得るため」に
「無用の用を成す」ものは生まれます。
無用の用とは、無駄では無いのです。
例えば「4つのうちのひとつの正解」を得るために、全部をやって
みる必要があります。
3つは不正解(失敗)する必要があるのです。
えっ?
良く考えてからひとつを選べばいいって?
考えてばかりいる人の1年と、
勇気をもってすべてを実行してしまう人の1年では、
1年後、その人が獲得している販売スキルと
実践ノウハウには、天と地ほどの開きが生じます。
早計に無駄と判断して止めたり、スピードを落としたり、先送り
したりすると、結果、何も残りませんよね。
★「商売とは相思相愛を探す旅」
株式会社 乾杯・KANPAI
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