僕には、生活を変えるとき、大きな仕事をするとき、
何かにつけ、必ず逢いに行く人がいます。
その人は、仙台で7店舗、銀座と渋谷に各1店舗、
合計9つの飲食店を経営する方で、
カッコいい50代の男性。
そのすべての店について名前も業態もコンセプトも違います。
チェーン展開せず、人を育て、
やりたい人にすべてを任せる経営。
チェーン店や大企業が採算を考えて手を出さない
「手間暇の世界」に、事業ドメインを持っています。
僕が素晴らしい!と想うのは、
「その日、休みをとっているスタッフが、
親を連れてくる店である」ということ。
友人、知人、親、兄弟、恋人、パートナーに、
自分が働いている店を誇りをもって紹介できること。
これが商売の本質であり、原点ではないかと想うのです。
会社とは、関わるすべての人が幸せになるための道具です。
ビジネスには人を幸せにする力がありますよね。
「自分が提供するサービスを、自ら受けたいですか?」
「自分が働くお店に、自らが行きたいですか?」
僕の尊敬する、ある経営者に、
先日また会いに行ってきました。
今回は、地元に複数業態を展開する若き経営者と、
その方とをお引き合わせするという使命もあり訪問。
(この志ある若き経営者のお話もまたいずれ)
さて、敬愛する社長ですが、仮にN社長としておきましょう。
前述の言葉「自らがお客様になりたいか?」は、
N社長から「商売の本質」として10年以上前に
教わった言葉です。
まさに本質を突いた質問だと痛感しますね。
「自分の商品を買いたいか?」
これに即答できないようでは繁盛はおぼつきません。
N社長の展開する店は「世界に1店舗」のオリジナルレストランです。
・誰も見たことのない店
・誰も食べたことのない料理
・誰も聞いたことのない音楽
常にそうしたことを目指しています。
その根底にあるのは「人づくり」。
N社長の会社は、スタッフの夢や成長と共に、
発展してきました。
やりたい店があるスタッフにすべて任せて開発する経営です。
極論すれば、飲食店にすらこだわらず、
業種業態は問わないという姿勢。
借入返済期間である5年間で成長曲線を経過し無借金になった店と、
新店としてオープン毎年オープンするコンセプチュアルな店が、
絶妙のバランスで混在しながら、人の成長と共に推移しています。
今まで手掛けた店は15店舗。
いずれも成功させてきました。
(ちなみにN社長は、他にデザイン事務所もお持ちです)
世界にただ1店舗と言えば、多くの旅館さんもそうですよね?
さて、前置きはこのくらいにして、
(いつもながら長い前置きですねぇ)
今日も本当にいい話をシェアしますよ(*^_^*)
N社長の卓越した経営哲学に触れてくださいまし!
■「自分は3店舗目からでいい」
十数年前、同じようにバーやレストランを開業した
経営者仲間が何人もいたそうです。あれから十数年。
今も活躍されている人と、すでに店も無く、
その人の名前すら聞かなくなった人に別れたとのこと。
その分かれ道とは、利益が出たとき、まずは人、次に自分、
そう考え、実行できたかどうか?だとしか思えないそうです。
N社長は、「自分への利益分配は、3店舗目からにしよう」と考え、
実行したのです。
自分についてきてくれているスタッフへの還元、
そしてお店をより良くするための投資が先で、
自分は後だという感覚が大切だとおっしゃっていました。
酒と女と車と株に走った人は、今はいなくなったと。
N社長の「美意識・美学」が、今に繋がっているのだと思います。
■「善悪のモノサシを持つ」
レストランの語源は「レストア」。
意味は回復させる、癒すという言葉です。
ですからレストランとは、人を癒し、
元気にする場所でなくてはならないとN社長は言います。
とすれば、
・安心で安全な食材を使うのは当たり前
・出来合いに頼らず一からスープづくりをするのは当たり前
ということなのですね。
経営効率を考えれば、つまり「損得のモノサシ」で言えば、
多少身体に悪い添加物を使ってもいいし、
大量生産の食材を絡めて料理すればいいという判断も有り得ます。
しかし、商売というものは、「善悪のモノサシ」が大切。
N社長は言います。
「人を幸せにするために24時間を使うならいいじゃない?」
「美味しいものを食べている時、人は必ず笑っているんだよ」
「そうすれば、自分たちも元気になるし、楽しく働けるのさ」
この価値観がいいですね。
■「経営者の役割とは?」
どんな教科書を見ても、
企業の目的や経営者の役割として言及されているのは、
「利益の追求」です。
でも、N社長は言います。
「経営者の役割は、社員を幸せにすることだよ」
僕も思います。幸せな社員だけが、お客様を幸せにできるのだと。
そして、社員を幸せにするために必要なものが利益なのだと。
売上は社員が創る。利益は経営者が創る。
利益の追求が一番ではないのです。
社員の幸せのために利益があるのです。
しかしこれは、単なる綺麗事でもありません。
N社長が面白い例え話をしてくださいました。
原始人が持つ「槍」で、その家族は飢えから救われる。
会社とは「槍」に他ならない。つまり会社とは「道具」である。
もっと言えば「道具」でしかない。
関わる人が幸せになるための道具、それが会社である。
素晴らしい!
ところで、N社長は「偽善でいい」と言います。
人のためと書いて「偽り」。
「口先だけじゃなく、実践すれば、現実に助かる人たちがいる。」
偽善かどうかはむしろ関係無いという立場です。
理想的言葉は、行動を伴ってはじめて「真実」になります。
★「商売とは相思相愛を探す旅」
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